
カスタマーサポート
カスタマーサポートは、顧客満足・解約防止・口コミ拡大など、ビジネスの土台を支える重要な業務です。
一方で、
- 返答文の作成に時間がかかる
- 案件ごとの温度感の調整が難しい
- ナレッジ化・FAQ整備が後回しになりがち
といった悩みも多くあります。
生成AIは、「返信文のたたき台作り」「FAQ・テンプレート作成」「ログ要約」「ナレッジ整理」の相性が非常に良い分野です。
ここでは、一般のビジネスパーソンがカスタマーサポート業務で使いやすいプロンプト例を紹介します。
① お問い合わせ返信文の下書き作成
同じような質問でも、毎回ゼロから文章を考えると大きな負担になります。
生成AIに「状況」と「伝えたいこと」と「トーン」を渡すと、返信文の下書きを素早く作れます。
プロンプト例
よくある質問への丁寧な回答文
あなたは〇〇株式会社カスタマーサポートの担当者です。
以下のお客様からの問い合わせに対する返信メール文を作成してください。【お客様からの問い合わせ内容】
[ここに問い合わせメール本文を貼り付け]【返信メールに含めたい要素】
・問い合わせへのお礼
・質問に対する分かりやすい回答
・お客様が次に取るべき操作や手順の案内
・不明点があれば再度問い合わせてほしい旨トーンは、初めて問い合わせたお客様に対して、丁寧で安心感のあるビジネスメールにしてください。
件名と本文をセットで作成してください。
状況確認が必要なときの「追加情報のお願い」メール
あなたは〇〇株式会社のカスタマーサポート担当です。
以下の問い合わせを受けましたが、現時点では原因特定に必要な情報が不足しています。
お客様に追加の情報提供をお願いするメール文の案を作成してください。【問い合わせ内容】
[ここに問い合わせ内容を貼り付け]メールには、
・まずはご連絡へのお礼
・現時点で分かっていること(簡潔に)
・原因特定のために必要な情報(OS・ブラウザ・利用環境・スクリーンショットなど)
・具体的に、何をどのように送ってほしいか
・情報をいただいた後、どのように対応を進めるか
を含めてください。
お客様を責める印象にならないよう、丁寧な依頼文にしてください。
軽いトラブルへのお詫び+案内
あなたは〇〇株式会社のサポート担当です。
本日一時的に発生していたサービス障害について、既に復旧済みであることをお客様にお知らせするメール文を作成してください。【前提】
・影響範囲:一部のお客様でログインしづらい状態が30分ほど発生
・現在は復旧済みメールには、
・不便をかけたことへのお詫び
・どのような事象が、どの時間帯に発生していたか
・現在は正常に利用できること
・今後の再発防止に向けた対応方針(概要で構いません)
を含めてください。
過度に不安をあおらず、落ち着いたトーンでお願いします。
② FAQ・テンプレート・マクロの作成
よくある質問は、FAQやテンプレートを整えておくことで対応品質と速度を両立できます。
生成AIを使って、「質問の整理」から「回答案」まで一気に作ることができます。
プロンプト例
問い合わせ履歴からFAQ候補を洗い出す
あなたは〇〇株式会社のカスタマーサポートリーダーです。
以下に、最近1ヶ月分の問い合わせ内容の抜粋を貼ります。
この内容をもとに、
・よくある質問のカテゴリ
・カテゴリごとの代表的な質問文(お客様目線の言い方で)
・各質問に対する回答案(簡潔に)
を整理してください。FAQとしてそのまま使えるように、
「Q:」「A:」形式で出力してください。
[ここに問い合わせメモや履歴を貼り付け]
サポート返信テンプレート(マクロ)の作成
あなたは〇〇株式会社カスタマーサポートのスーパーバイザーです。
以下のようなお問い合わせに対して、毎回使い回せる返信テンプレート(マクロ)を作成してください。【よくある問い合わせ】
・パスワードを忘れてログインできない
・登録メールアドレスが使えず、パスワード再発行メールが受け取れないテンプレートには、
・冒頭のあいさつ文
・状況に応じて差し替えられる変数部分(例:お客様名・URL・注意事項など)
・パスワード再設定の具体的な手順
・セキュリティに関する簡単な注意喚起
を含めてください。
実務でそのままコピー&ペーストしやすい形にしてください。
難しい内容を「一般向けにかみ砕いたFAQ」に書き直す
あなたはサポートサイト編集担当です。
以下の技術的な説明文を、エンドユーザー向けのFAQ回答として分かりやすく書き直してください。条件:
・専門用語はできるだけ避ける
・どういう時にこの問題が発生しやすいかを例で示す
・ユーザーが「自分でできる対処」と「それでも解決しない場合にサポートへ連絡してほしい条件」を明確に分けて書く
[ここに元の技術説明文を貼り付け]
③ チャット・電話ログの要約と分類
問い合わせ件数が多い場合、ログをすべて読むのは大変です。
生成AIに要約とタグ付けを任せることで、「状況把握」と「傾向分析」が楽になります。
プロンプト例
1件ごとの要約と対応方針の整理
あなたはカスタマーサポートチームのリーダーです。
以下にチャットサポートのやり取りログを貼り付けます。
このログをもとに、
- お客様の主な相談内容(1〜2文で要約)
- 現時点までにこちらが行った対応
- 今後必要な対応(フォローの要否・誰が・いつまでに)
を整理してください。
[ここにチャットログを貼り付け]
複数ログからカテゴリと件数感を出す
あなたはサポート品質向上プロジェクトのメンバーです。
以下に10件分の問い合わせログ(要約)を並べます。
この内容をもとに、
・問い合わせ内容のカテゴリ分け
・カテゴリごとの件数感(多い/普通/少ない程度でOK)
・今後FAQ整備やプロダクト改善が必要そうな領域
を一覧で整理してください。
[ここに短い問い合わせ要約を複数件貼り付け]
「エスカレーションすべきか」を判断する観点出し
あなたはカスタマーサポートのスーパーバイザーです。
以下の電話応対メモを読み、「一次対応で完結してよいか/上長や他部署へエスカレーションすべきか」の判断を行うための観点を整理してください。出力として、
・こういう場合は一次対応で完結してよい例
・こういう場合はエスカレーションが必要な例
・グレーなケースで確認すべきポイント
を箇条書きでまとめてください。
[ここに電話応対メモを貼り付け]
④ ナレッジ・マニュアルの整理
「この問い合わせには、この手順で対応する」というナレッジを整備しておくと、属人化を防げます。
生成AIは、バラバラなメモから「手順書の形」に整えるのが得意です。
プロンプト例
対応手順マニュアルの骨子作成
あなたは〇〇株式会社のサポート教育担当です。
以下に、「請求金額に関する問い合わせ」が発生した場合の対応メモを貼ります。
この情報をもとに、新人でも迷わず対応できるマニュアルの骨子を作成してください。マニュアルには、
・問い合わせ受付時のヒアリング項目
・確認すべきシステム画面・項目
・よくある原因パターンと、それぞれの説明文例
・返金や再請求が必要な場合の社内フロー(概要でOK)
を含めてください。
[ここに既存メモを貼り付け]
既存ナレッジを「チェックリスト形式」に整える
あなたはサポートチームのリーダーです。
以下の長文マニュアルを、対応漏れを防ぐためのチェックリスト形式に整理してください。各ステップごとに、
・担当者が確認すべきこと
・「はい/いいえ」でチェックできる形の項目
・注意すべきポイント(補足として短文)
を出力してください。
[ここに長文マニュアルを貼り付け]
ナレッジ共有会用の資料骨子作成
あなたはカスタマーサポートチームの教育担当です。
以下の内容をもとに、「最近増えている問い合わせと、その対応のコツ」を共有する社内勉強会資料の骨子を作成してください。資料には、
・問い合わせ件数が増えているテーマのランキング
・それぞれの典型的なお問い合わせ例
・対応のポイントとNG例
・今後FAQやプロダクト側で改善したい点
を含めてください。
[ここに最近の問い合わせ傾向メモを貼り付け]
カスタマーサポートにおける安全な活用のポイント
- 個人情報はそのまま入れない運用を徹底する
氏名・住所・電話番号・メールアドレス・会員IDなど、個人を特定できる情報は、必要に応じて伏せ字・ID化してからAIに渡すなど、安全な扱い方をルール化しましょう。 - 感情の温度感は人間が最終調整する
クレーム対応やトラブル時の文章は、少しの言い回しで印象が大きく変わります。AIの下書きはあくまで「たたき台」とし、相手の状況や自社のスタンスに合わせてトーンを調整してください。 - 約束や保証の内容は必ず自分でチェックする
返金条件・補償範囲・サポート対応時間など、契約に関わる表現がAIの出力に含まれている場合は、必ず自社規定に沿っているか確認しましょう。 - 社内ルール・ガイドラインとの整合性を確認する
サポートポリシー、返答ルール、敬語のスタイルなど、社内で定めたガイドラインに沿っているかを最後にチェックすることで、対応のばらつきを防げます。 - ログやクレームをそのまま外部資料に転用しない
実例を研修や資料に使う際も、個人・企業が特定されないよう情報を加工したうえでAIに渡すようにしましょう。
問題
問題1 ログイン不具合に関する一次返信メールのプロンプト作成
あなたはSaaSサービスを提供する〇〇株式会社のカスタマーサポート担当です。
次のような問い合わせメールが届きました。
- 昨日からログイン画面でエラーが表示され、サービスにアクセスできない
- ブラウザを変えても状況は同じ
- 緊急の業務で利用したいので、至急対応してほしい
この状況に対して、生成AIに「一次返信メールの下書き」を作成させたいと考えています。
以下の要素を含むプロンプトを作成してください。
- まずは不便をかけていることへのお詫び
- 現時点で分かっていること(調査中であればその旨)
- 追加で確認したい情報(利用環境・エラーメッセージなど)
- いつ頃までに続報を連絡するかの目安
解答プロンプト例
あなたはSaaSサービスを提供する〇〇株式会社カスタマーサポート担当です。
以下のログイン不具合に関するお問い合わせに対する「一次返信メール」の下書きを作成してください。【お客様からの問い合わせ要約】
・昨日からログイン画面でエラーが表示され、サービスにアクセスできない
・ブラウザを変えても状況は同じ
・緊急の業務で利用したいため、至急対応を希望されているメールには、必ず次の要素を含めてください。
- 不便をおかけしていることへのお詫び
- 現時点では詳細な原因を調査中であること
- 原因特定のために、以下の追加情報の提供をお願いしたい旨
・ご利用の端末(PC/スマートフォンなど)
・OS/ブラウザの種類とバージョン
・表示されているエラーメッセージの文言
・発生した日時と、お試しいただいた対処(ブラウザ変更など)の内容- いつ頃までに続報を連絡するかの目安(例:本日中、◯時まで など)
お客様の不安を和らげつつ、誠実に対応していることが伝わるトーンで、件名と本文をセットで作成してください。
生成AIの回答例
件名案
- 【重要】ログイン不具合に関するお詫びと確認のお願い
- ログインエラーの件につきまして(お詫びとご確認のお願い)
本文例
- 〇〇様
- いつも弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。〇〇株式会社カスタマーサポートの△△でございます。
- このたびは、ログイン画面でエラーが表示されサービスをご利用いただけない状況とのことで、大変なご不便とご迷惑をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
- 現在、社内の技術担当と連携し、原因の特定と復旧に向けた調査を進めておりますが、より正確な状況把握のため、差し支えなければ下記の点について追加でご教示いただけますと幸いです。
- ・ご利用の端末の種類(例:Windows PC、Mac、iPhone、Android端末など)
- ・OSおよびブラウザの種類とバージョン(例:Windows11/Chrome バージョン◯◯ など)
- ・ログイン時に表示されているエラーメッセージの文言
- ・不具合が発生したおおよその日時と、これまでにお試しいただいた対処(ブラウザ変更など)の内容
- いただいた情報をもとに、優先的に調査を進めさせていただきます。
- 本日中(◯月◯日◯時頃まで)に、進捗状況についてあらためてご連絡いたします。
- お忙しいところ恐れ入りますが、何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
問題2 よくある質問を整理するプロンプト作成
あなたは、ECサイトを運営する〇〇株式会社のカスタマーサポートリーダーです。
最近、次のような問い合わせが特に多くなってきています。
- 配送状況の確認(届かない・追跡番号が分からない)
- 返品・交換のルールについて
- クーポンコードの使い方
- 会員情報(住所・メールアドレス)の変更方法
これらをもとに、「FAQページを整備するためのたたき台」を生成AIに作成させたいと考えています。
生成AIに指示するためのプロンプトを作成してください。
解答プロンプト例
解答プロンプト例
あなたはECサイトを運営する〇〇株式会社のカスタマーサポートリーダーです。
以下のよくあるお問い合わせ内容をもとに、FAQページに掲載する「Q&A案」を作成してください。【よくあるお問い合わせテーマ】
・配送状況の確認(届かない・追跡番号が分からない)
・返品・交換のルールについて
・クーポンコードの使い方
・会員情報(住所・メールアドレス)の変更方法テーマごとに、
- お客様が実際に言いそうな質問文(Q)を2〜3個
- 分かりやすい回答文(A)
- 必要に応じて注意事項(例:期限・例外条件・問い合わせ窓口など)
を作成してください。専門用語はなるべく避け、初めて利用するお客様でも理解しやすい表現にしてください。
出力形式は「Q:」「A:」でお願いします。
生成AIの回答例
配送に関する例
- Q:商品がなかなか届きません。今どこまで配送されていますか?
A:マイページの「ご注文履歴」より、該当のご注文を選択していただくと、「配送状況を確認する」ボタンから現在の配送状況をご確認いただけます。追跡番号もこちらに表示されますので、各配送業者の追跡サービスからも状況を確認いただけます。 - Q:配送状況のページに追跡番号が表示されていません。どうすればいいですか?
A:一部の配送方法では、追跡番号が発行されない場合がございます。発送完了メールが届いてから1週間以上経過しても商品が届かない場合は、お手数ですがお問い合わせフォームより「注文番号」とともにご連絡ください。弊社にて配送状況を確認し、ご案内いたします。