
調査・分析・情報整理
ビジネスの現場では、「情報を集めること」よりも、「集めた情報をどう整理し、どう判断につなげるか」が求められます。
とはいえ、会議メモやヒアリングメモ、アンケート結果、Webからの情報など、バラバラの情報をまとめて整理するのは、時間も頭のエネルギーも使う大変な作業です。
生成AIは、こうした「調査・分析・情報整理」のプロセスをサポートするのが得意です。
メモや資料を渡し、「要約して」「比較して」「観点ごとに整理して」と具体的に指示することで、判断に必要な形へと素早く整えてくれます。
最終的な判断は人が行いつつ、「整理・要約・構造化」をAIに任せることで、ビジネスパーソンの負担を大きく減らせます。
① 情報収集メモ・ヒアリング内容の整理
営業訪問メモ、ユーザーインタビュー、社内ヒアリングなど、メモのままでは活かしづらい情報を「構造化」するのに生成AIは有効です。
プロンプト例
営業ヒアリングメモの整理
あなたは〇〇株式会社の営業担当です。以下は、本日実施した「既存顧客A社へのヒアリングメモ」です。
このメモをもとに、
- A社の現状(利用状況・組織体制など)
- 顧客の課題・ニーズ
- A社が評価している点・不満に感じている点
- 次回アクション(こちら側のToDo、顧客側のToDo)
に整理してまとめてください。
箇条書きで、チームメンバーと共有しやすいようにシンプルに記述してください。
[ここにヒアリングメモを貼り付け]
複数メモの統合整理
あなたはプロジェクトマネージャーです。以下に3回分の「社内ヒアリングメモ」があります。
これらを統合し、
・共通して挙がっている課題
・部署ごとに異なる要望・懸念点
・すぐに着手できる改善案
・中長期的に検討すべきテーマ
に分けて整理してください。
それぞれ見出しを付け、箇条書きでまとめてください。
[ここに複数回分のヒアリングメモを貼り付け]
打ち合わせメモからタスク抽出
あなたはプロジェクトチームの議事録担当です。以下の打ち合わせメモから、
・プロジェクト全体の決定事項
・各メンバーの担当タスクと期限
・未決定で追加検討が必要な事項
を抽出し、タスク管理ツールに転記しやすい形で箇条書きにしてください。
[ここに打ち合わせメモのテキストを貼り付け]
② 市場・競合調査のサマリー作成
市場レポートや競合サイトの情報を読み込んでまとめる作業も、AIにドラフトを任せることでスピードアップできます。
プロンプト例
市場レポートの要約とポイント整理
あなたは〇〇株式会社のマーケティング担当です。以下の市場調査レポートの内容をもとに、
- 対象市場の概要(規模・成長率など)
- 市場トレンド(顧客行動の変化や技術トレンドなど)
- 当社にとっての機会(チャンス)
- 当社にとってのリスク(脅威)
を整理してください。
各項目は箇条書きで、社内共有資料にそのまま貼り付けられるレベルの具体度でお願いします。
[ここに市場調査レポートの要約テキストや抜粋を貼り付け]
競合サービス比較表のたたき台作成
あなたは新規サービス企画の担当者です。以下に、当社と主要競合3社のサービス概要・料金・機能一覧メモを記載しています。
この情報をもとに、
・サービス名
・主なターゲット
・料金帯
・主要機能(3〜5個)
・強み・弱み
を比較できる表形式のテキストにまとめてください。
その上で、「当社が差別化できそうなポイント」を3点に要約してください。
[ここに自社・競合各社に関する情報メモを貼り付け]
新市場参入可否検討のための論点整理
あなたは事業開発チームのメンバーです。以下の情報(市場規模、競合状況、自社リソース、リスク要因など)をもとに、「新市場への参入可否を検討するための論点」を整理してください。
論点は、
・市場観点
・競合観点
・自社リソース・強み弱み
・収益性
・リスクと対応方針
という5つの観点に分けて箇条書きで整理し、最後に「現時点での仮の結論案」を3パターン(参入/条件付きで検討継続/見送り)で提示してください。
[ここに市場・競合・自社に関するメモやリンク先の要約を貼り付け]
③ アンケート・インタビュー結果の整理とインサイト抽出
顧客アンケートやユーザーインタビューは「生の声」が多く、読み解くのに時間がかかります。
生成AIに整理やグルーピングを任せることで、インサイト抽出のスピードが上がります。
プロンプト例
自由記述アンケートのテーマ分類
あなたは〇〇株式会社のカスタマーサクセス担当です。以下は、当社サービスに関するお客様アンケートの自由記述コメントです。
このコメントを
・機能面の要望
・サポート対応に関する意見
・料金に関する意見
・その他
の4つに分類し、それぞれ代表的なコメント例と、コメント数のおおよその傾向(多い/普通/少ない)をまとめてください。
最後に、「改善の優先順位が高そうなテーマ」を3つ挙げ、その理由も一緒に述べてください。
[ここに自由記述の回答一覧を貼り付け]
インタビュー結果からペルソナ整理
あなたはプロダクトマネージャーです。以下は、3名のユーザーインタビューの書き起こしです。
この内容をもとに、共通する特徴を持つユーザー像(ペルソナ)を1〜2種類にまとめてください。
ペルソナごとに、
・基本属性(仕事内容・年齢層・役職など)
・抱えている課題・不満
・既存の解決手段と限界
・当社サービスに期待している価値
を整理し、最後に「プロダクト改善のヒントになりそうなポイント」を3〜5個、箇条書きで抽出してください。
[ここにインタビュー書き起こしを貼り付け]
NPSアンケートのコメント要約
あなたはカスタマーサクセス部門のアナリストです。以下は、NPSアンケートで「10〜0のスコア」と「その理由コメント」をセットで回収した結果です。
このデータを、
・推奨者(9〜10点)のコメント傾向
・中立者(7〜8点)のコメント傾向
・批判者(0〜6点)のコメント傾向
に分けて要約し、それぞれ
「何が評価されているのか」
「何に不満を感じているのか」
を整理してください。
最後に、NPS向上のために優先的に取り組むべき改善テーマを3つ提案してください。
[ここにスコアとコメントの一覧を貼り付け]
④ 社内データ・ログのざっくり分析(非エンジニア向け)
高度な統計分析は専門ツールが必要ですが、傾向をざっくり掴むレベルであれば、生成AIに「見方」を手伝ってもらうことができます(ただし数値の正確な計算は別途確認が必要です)。
プロンプト例
シンプルなKPIレポートの解釈支援
あなたは〇〇株式会社の事業担当者です。以下は、直近6ヶ月分の主要KPI(売上、CV数、CVR、広告費、解約率など)の集計表です。
このデータをもとに、
・数値の大きな変化があった指標(増加/減少)
・その変化の要因として考えられる仮説
・次の1〜2ヶ月で確認すべきポイント
を整理してください。
経営陣向けに共有するメモとして、3〜5つの論点にまとめてください。
[ここにKPIの表データを貼り付け]
Webアクセスログの傾向整理(非専門家向け)
あなたはWeb担当者です。以下はGoogleアナリティクスから抜き出した、直近1ヶ月の主要指標(セッション数、ユーザー数、主要流入チャネル、主要ランディングページ、直帰率、コンバージョン数など)のデータです。
このデータを、
- どのチャネルからの流入が多いか
- コンバージョンに貢献しているページや導線はどこか
- 明らかに改善の余地がありそうなポイント
に分けて整理し、Web施策の優先順位案を3点提案してください。
専門用語は最小限にし、非エンジニアにも伝わる表現で書いてください。
[ここにアクセスデータの要約を貼り付け]
簡易レポートの「要点だけ」まとめ
あなたは部長に報告するためのサマリーメモを作成する担当者です。以下は、社内レポート数本分をまとめた長い資料です。
この内容から、部長が押さえるべきポイントだけを
・全体の結論(3〜5行)
・重要な数字(3〜5個)
・今後のアクション候補(箇条書き3〜5個)
に要約してください。
[ここに社内レポートの内容を貼り付け]
調査・分析・情報整理における安全な活用のポイント
- 前提条件を明示する
「どの期間のデータか」「どの顧客セグメントか」などの前提が曖昧だと、AIの整理結果もぼやけてしまいます。プロンプト内で、可能な範囲で前提条件を書いておくと、より実務で使えるアウトプットになります。 - 数値の正確性は必ず人が確認する
AIはテキストの整理は得意ですが、表計算や統計処理などで誤りが混じる可能性があります。金額や件数などの数字は、必ず元データや表計算ツールで再確認してください。 - 機密情報をそのまま貼らない工夫をする
顧客名・社名・具体的な金額などをそのまま入力せず、「A社」「年間売上〇億円」など、ある程度匿名化してから使う方法も検討しましょう。自社のルールに従って、安全に利用することが重要です。 - AIの整理結果を「鵜呑み」にしない
AIが分類や解釈をしてくれた結果は、あくまで「仮説」だと捉えるのが安心です。「本当にそうか?」と自分でもデータを眺め直し、必要なら観点を変えて再度AIに聞き直すなど、対話を通じて精度を上げていきましょう。 - 誰が見ても分かる形に整えるのは人の役割
AIの出した整理結果を、そのまま社内資料に転記すると、言い回しや粒度が揃っていないことがあります。最終的に「自社の書き方」に揃えるひと手間をかけることで、チーム全体の理解度が高まります。
問題
問題1 新サービスに関する市場調査メモの整理
あなたは〇〇株式会社のマーケティング担当者です。新たに検討している「サブスクリプション型オンライン研修サービス」について、複数の情報源から市場調査を行いました。
Web記事、調査レポートの抜粋、社内メモなど、さまざまな情報がバラバラに存在しており、経営会議向けに要点を整理したいと考えています。
以下の情報と要件を踏まえ、生成AIに指示するためのプロンプトを作成してください。
「前提となる情報の内容」
- オンライン研修市場全体の成長率や規模に関する調査レポートの抜粋
- 競合3社(A社・B社・C社)のサービス概要・料金・強み弱みに関するメモ
- 自社の既存顧客ヒアリング結果(ニーズ・不満点など)の要約
- 自社が持つ既存リソース(講師・コンテンツ・営業チャネルなど)に関する整理メモ
「プロンプトに含めるべき要件」
- あなたは〇〇株式会社のマーケティング担当として、経営会議向けに市場調査の要点整理を行う。
- 出力内容には、少なくとも以下の項目を含めること。
- 市場概要(規模・成長性・簡単なトレンド)
- 主要競合3社の特徴と当社との違い
- 顧客ニーズの傾向(求められていること/不満が出ている点)
- 当社が取り得るポジショニング案(2〜3パターン)
- 経営陣が短時間で全体像をつかめるよう、各項目は見出し+箇条書きで整理すること。
- 専門用語を使いすぎず、一般的なビジネスパーソンにも分かる表現で記述すること。
解答プロンプト例
あなたは〇〇株式会社のマーケティング担当です。
「サブスクリプション型オンライン研修サービス」の市場参入を検討するために集めた、以下の市場調査メモを整理してください。出力では、次の項目を必ず含めてください。
- 市場概要(規模・成長性・主なトレンド)
- 主要競合3社(A社・B社・C社)の特徴と、当社との違い
- 顧客ニーズの傾向(求められていること/不満として挙がっていること)
- 当社が取り得るポジショニング案を2〜3パターン(それぞれのメリット・デメリットも簡単に記載)
経営会議向けの資料のたたき台として使いたいため、各項目は「見出し+箇条書き」で分かりやすく整理してください。
難しい専門用語は避け、一般的なビジネスパーソンにも理解しやすい表現でまとめてください。
[ここに市場レポートの抜粋、競合メモ、自社ヒアリングメモなどを貼り付け]
生成AIの回答例
生成AIの回答例
1. 市場概要
- オンライン研修市場は、直近5年間で年平均約〇%成長
- 働き方の多様化(リモート・ハイブリッド)が進み、場所や時間を選ばない学習ニーズが拡大
- 研修内容も「一斉集合研修」から、「個人ごとのスキルアップ」「リスキリング」へとシフト
- サブスクリプション型で「必要なときにいつでも学べる」モデルが主流になりつつある
2. 主要競合3社の特徴と当社との違い
- A社:大企業向けの豊富な研修ラインナップ
- 強み:講座数が多く、講師陣が有名。管理機能が充実
- 弱み:料金が高めで、中小企業には導入ハードルが高い
- B社:IT・デジタル分野に特化したオンライン学習サービス
- 強み:最新技術領域のコンテンツが豊富、実務寄りのカリキュラム
- 弱み:ビジネススキルやマネジメント系のコンテンツが薄い
- C社:中小企業向けの低価格プランが特徴
- 強み:料金が分かりやすく、小規模組織でも導入しやすい
- 弱み:コンテンツ数や品質のばらつきがあるとの口コミ
- 当社との違い:
- 当社は対面研修・講師派遣の実績があり、「伴走型」の支援が強み
- 一方で、オンラインコンテンツのラインナップや管理機能は競合に劣る部分がある
3. 顧客ニーズの傾向
- 「場所や時間に縛られない学習環境を用意したい」という声が多数
- 一方で、「動画を見せただけで終わってしまう」「学習の定着やフォローができていない」という不満も多い
- 研修担当者からは、「受講状況・理解度を簡単に可視化したい」「現場のマネージャーとも連携しながら運用したい」というニーズがある
- コンテンツの量よりも、「自社の課題に合ったテーマ」「現場で使える実践的な内容」を重視する傾向が強い
4. 当社が取り得るポジショニング案(例)
- 案1:伴走型オンライン研修プラットフォーム
- メリット:対面研修のノウハウを生かし、「オンライン+フォロー」の価値を打ち出せる
- デメリット:運用工数がかかるため、スケールの仕組みづくりが必要
- 案2:中小企業向け「研修担当者いらず」パッケージ
- メリット:研修担当者の負担軽減を前面に打ち出せるため、導入メリットが分かりやすい
- デメリット:価格設定とサービス範囲のバランスが難しい
- 案3:特定テーマ(例:マネジメント・リーダーシップ)に特化した高品質コンテンツブランド
- メリット:専門性を打ち出しやすく、競合との差別化が明確
- デメリット:対象市場が限定される可能性があるため、拡大戦略が別途必要
問題2 顧客アンケート結果の要約とインサイト整理
あなたは〇〇株式会社のカスタマーサクセス担当です。既存顧客を対象に実施した満足度アンケートの結果(5段階評価+自由記述コメント)が集まりました。
これをもとに、経営会議用の「顧客の声サマリー」を作りたいと考えています。
生成AIに指示するためのプロンプトを作成してください。特に以下の項目を含めること。
- 評価スコアの大まかな傾向(満足/不満の分布)
- 自由記述コメントから見える「良い点」と「改善してほしい点」の整理
- 短期的に着手すべき改善テーマ
- 中長期的に検討すべきテーマ
解答プロンプト例
あなたは〇〇株式会社のカスタマーサクセス担当です。
以下は、既存顧客を対象に実施した満足度アンケートの結果(5段階評価+自由記述コメント)です。
この結果をもとに、経営会議で共有するための「顧客の声サマリー」を作成してください。出力には、次の4項目を含めてください。
- 評価スコアの傾向(おおまかな分布と特徴)
- 自由記述コメントから見える「評価されている点」と「不満・改善要望が多い点」
- 短期的に着手すべき改善テーマ(3つ程度)
- 中長期的に検討すべきテーマ(2〜3つ程度)
経営陣が3分程度で読めるボリュームで、見出しと箇条書きを使い、分かりやすく整理してください。
[ここにアンケートの集計結果と自由記述コメント一覧を貼り付け]
生成AIの回答例
1. 評価スコアの傾向
- 全体の平均スコアは「3.8/5」
- 「4〜5」の高評価が約60%、「3」が25%、「1〜2」の低評価が約15%
- 新規導入から半年以内の顧客は比較的高評価、導入2年以上の顧客で満足度がやや下がる傾向
2. 顧客から評価されている点
- サポート担当者の対応が丁寧で、レスポンスが早い
- 管理画面の基本的な操作が分かりやすく、導入初期のハードルが低い
- 機能追加や改善要望に対して、一定のスピード感で対応しているとの声が多い
3. 不満・改善要望が多い点
- 一部の機能のUIが分かりづらく、「どこを押せば良いか迷う」という声
- マニュアルやヘルプ記事が分散しており、「必要な情報にたどり着きにくい」
- 大量データを扱う際の処理速度が遅い時間帯があるとの指摘
- 利用状況レポートのカスタマイズ性が低く、欲しい切り口での集計ができない
4. 短期的に着手すべき改善テーマ(例)
- よく使われる画面のUI改善(ボタン配置や名称の見直し)
- ヘルプセンターの構成見直しと、検索性向上(よくある質問をまとめるなど)
- 処理が重くなりやすい操作の特定と、技術チームとの優先度調整
5. 中長期的に検討すべきテーマ(例)
- 利用状況レポート機能の強化(テンプレート追加やカスタムレポート機能)
- 導入2年以上の顧客向けに、「活用の伸び悩み」を解消する伴走プログラムの検討
- プロダクト全体のUIデザインリニューアル(ブランドイメージの統一も含めた見直し)